昨日、2015年春闘・賃金講座、満員御礼、盛況のうちに終わりました。本当にありがとうございました。時間を少し勘違いしてしまったため、私が10分ほど余計にしゃべりすぎましたが、中野さんのご報告は素晴らしかった。

労働運動の実地の経験のなかから、「要求」とは何か、「交渉」とは何か、ということを根本から考えさせられる内容でした。参加された皆さんがどう感じられたのか、それが今後、どう生きてくるのか、楽しみです。

話の本筋ではないのですが、政府はこういう賃金の問題とどうつきあっていけばよいのか、ということをご質問で受けました。それについては、私は労働相談センターを拡充して、そこに労働組合、人事のOBの人に手伝ってもらうことが必要だとお話ししました。この内容は、昨年、ラジオでお話しさせていただいたものと同じが、実はそのときの文字起こしを日刊読むラジオさんでやっていただいていました。ちょっと、「で」という接続詞とも間投詞ともつかない間抜けなところがいくつかありますが(お願いだから、校正させてください!)、こちらもご参考にどうぞ。

賃金の歴史から紐解く政労使会議の正しいあり方

それから、ラジオ出演後に私が補足したエントリがこちらになります。

労働相談センターに労使のOBを送り込むというアイディアは何人かとお話ししましたが、結構、よい反応をいただきました。

なお、当日の様子は、まずいところはカットした上で、労働法律旬報に掲載していただく予定です。そちらも発行されましたら、お知らせしますので、どうぞよろしくお願いします。
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ゴードン先生の書評の最後で、

労働組合のリーダー、組合員、そして企業の人事・労務管理担当者にとって非常に有用な資料であるだけでなく、労働や労務管理の歴史に関する講座の教科書として役立つであろう(そのような講座が日本で-又はどこか他で-継続して広くもたれているかどうかは別問題である)。評者はこれらのグループすべての方々に本書を推奨した。

と触れられていて、濱口先生からも「本書の書評の形を借りて、労働の歴史をまともに語ることがほとんど絶え果てた現代日本の知的状況をやんわりと皮肉っているようにも思われました」と解説されていました。

私個人としては連合総研の前賃金プロジェクトであの本を出版することが出来たわけですが、プロジェクトとしては本と報告書が出て終わってしまっているわけです。もちろん、我々の手を離れ、実際の現場で使っていただいている場合もあります(後からそのように伺いました)。しかし、全体としては不完全燃焼で終わってしまっています。このままでは行けない。運動を起こすなら、今が勝負だからです。

そういう思いもあり、当時の盟友の中野さんにも協力してもらい、このたび、賃金講座を一回だけですが、とりあえず開催することにしました。主催は旬報社、働く文化ネットワークにもご協力をいただきました。


 このたび「2015春闘・賃金講座」を開催いたします(主催・旬報社、後援・NPO法人「働く文化ネット」)。長く続いた不況の下で、春闘も賃金交渉も困難な局面に置かれてきました。そのなかで、成果賃金など経営側の賃金体系見直しの動きに振り回されたり、ベースアップと定昇の区別がわからない、 賃上げ要求の仕方がわからない、交渉が行き詰まったときの対応がわからない、という声も聞こえてきます。
 昨年の春闘からベア要求をする組合も増えてきて、いま改めて賃金制度の沿革や、春闘の意義などについて確認することが重要になっています。本講座では、2015春闘の本番を前にして、基礎的なことをおさらいすると同時に、具体的・実践的な課題について学び合える場を用意しました。
 皆さんのお役に立てればと思います。ふるってご参加ください。

日時:2015年1月17日(土) 13:15~17:00 
会場:連合会館5階 502会議室
資料代:500円

講師とテーマ:
金子良事(法政大学大原社会問題研究所)「賃金の理論と歴史」
中野治理(JAM本部)「春闘の意義と実践」

*お申し込みは下記チラシの申込書にご記入のうえ、ファックスをお願いいたします。
詳しくはこちらから→チラシ(PDF:626KB)


『日本の賃金を歴史から考える』の「はじめに」の最後のところで、私は「願わくば、本書がかつての熱い賃金の時代を現代に呼び起こすきっかけにならんことを」と書きました。思いはそのときから変わりません。

私のような無名のものが自分からこのような企画をやっても、おそらく人は集まらないだろうと思い、昨年の12月、主要産別30弱、ビラを持って営業に回らせていただき、あとは機会を捉えて、お会いした方には声をかけさせていただきました。労働組合から先行して回ったのは賃金交渉が要求から始まるからです。

もちろん、あの本で書いたように、賃金に関わるプレイヤーは労働組合だけでなく、人事、コンサル、行政など多角的です。しかし、今回は残念ながら、時間の制約で労働組合と厚労省しか回ることが出来ませんでした。中野さんのお話はもちろん、労働組合の立場に立ったものですが、同時に、すぐれて実践的であるからこそ交渉とは何かを考える内容になっています。私の話は理論的に内部労働市場や外部労働市場を考察し、決定方式(内部)、賃金水準(外部、内部)という観点から春闘および賃金制度を歴史的に考察するものです。

ぜひ一緒に熱い時代を作りましょう。