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白桃書房の編集の方から『人事の成り立ち』を送っていただきました。ありがとうございます。

このいくつかの本を取り上げて、著書からそのリプライをもらうという形式はなかなか面白く、アベグレン先生なんかはもう鬼籍に入られているので、こういう企画はもう出来ないでしょう。日本の人事を理論的に考える上でのヒントはたくさん詰まっている本です。というか、この本を並べて、現代に繋がる主要な論点を並べるという力業を成功させたのは、ほぼ企画の段階で勝負が決まったんじゃないかなと思いました。

ただし、歴史の本として読むには、ちゃんと勉強しているのか、怪しいところが多いです。特に、近世日本の職業と身分の関係が全然理解されていない。しかしですね、何というか、こういう言い方をすると、語弊を生むかもしれないのですが、プロのように厳密に考証する必要はなく、ロジカルに日本の人事制度とはどういうものかを考察出来れば、それで十分だと思います。おわりにで、海老原さんがジャーナリズムからアカデミズムに踏み込むことも考えたが、ジャーナリズムから抜け出すことは出来なかったということを書いておられます。私はむしろ、そこがよいのではないかと思いました。

アカデミズムよりジャーナリズムの方が狭い専門分野から飛びやすいですし、さらには現象としての「人事」は方法を選ばず多様な面をもって存在しているので、このように様々な角度から見るというのはやりやすいですね。こういう本が役に立つのは、間違いなく現場で人事に携わっている方です。しかも、人事というのは、別に人事部じゃなくても構わないので、広く「評価」をしている人も含めていけば、ほとんどのビジネスパーソンに当てはまるのではないでしょうか。

こういう本は一人で読むよりも、何人かでそれこそ一つの章ずつとかでもよいので、自分の会社での経験などを語り合いつつ、読書会なんかをやるととても有意義になるでしょう。その点、ビジネススクールなんかでテキストにするには最適で、私自身は関西に来てしまったので、継続できなくなってしまいましたが、まだ今年も継続していたら、これをテキストにしたと思います。

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