2017年04月01日 (土)
いよいよ新年度が始まりますね。
2017年度の大原社会政策研究会の第一弾は、JILPTの客員研究員の高原正之さんにご報告いただきます。案内はここにあります。
時間:2017年4月21日(金) 15時20分~
場所:法政大学多摩キャンパスエッグドーム 会議室5階
今回はいつもと違って、高原さんが昨年のJIRRAで報告されて、そのあと、ペーパー化された「解雇規制は本当に日本の就業率を下げているのか?」(『日本労働研究雑誌』2017年特別号)を素材に議論したいと思っています。この研究会では、あまりこういうパターンはなかったんですが、高原さんから論文をいただいて、これをみんなで読んでみるというのもいいんじゃないか、ということで高原さんにお願いして今回の形になりました。議論の前には、高原さんから「解雇」についての簡単な解説をしてもらい、そのあと、論文についての議論をしたいと考えています。
この論文の主旨は、大竹文雄・奥平寛子の実証研究に対しての問題提起なんですが、お二人の研究は解雇無効判決変数と就業率の関係を分析し、労働者寄りの判決が出ているところでは就業率が下がるという結論になるというもので、これに対して、高原さんはデータの解釈の仕方が正しくないのではないかという問題提起をされ、簡単に言えば解雇法制が就業率にどのような影響を与えているのか以前、謎のままであると議論されています。
私は統計関係の研究会に出ないのでよくわかりませんが、本来だったら、この問題に対してのデータと変数の作り方、特にそのような問題についてアプローチするにはどのような方法があり得るのか(改善点等を含めて)などを議論するんでしょう。ただですね、この研究会は、統計学についての前提知識が共有されている研究会ではなく、もともと分野横断的に様々な若手研究者の交流の場にしようという問題意識で開いているので、当然、統計学そのものをよく知らない人も多いでしょう。だから、なぜ、こういうことを議論するのか、というような初歩的な、しかし、根本的な話から聞いてみたいというのも全然、ありです。というか、こういうところじゃないと、なかなか恥ずかしくて、そういう話、聞けないと思うんですよ。そういうのにぜひ利用してほしいです。
老婆心ながら、私自身も統計的な手法を使わないので偉そうなことは言えませんが、どんな分野でも統計学が入ってきているから、基本的なリテラシーとしてある程度は知っておいた方がいいよ、と言っておきたいですね。もう今はいないかもしれませんが、まだ私が大学院生だった頃は、統計的な手法を使うことにどんな意味があるのかといって毛嫌いする人が結構いました。でも、ロジカルに書くという意味では、統計的な実証論文に慣れ親しんでおくのは結構、よいことだと思います。というのも、歴史とか調査とかだと、事実の圧倒的なリアリティに頼って、しばしばロジックが飛んだり、あとは歴史だと、最後は論理で並べるのは難しいから時間で並べるかという誘惑にかられるときがありますからね(私だけ?)。時間順に並べると、なんとなく論理立っているように見えるんですよ、不思議なことに。
それから、高原さんはもともと労働省の統計情報部長をやられた方ですから、統計の実務面にも通じていらっしゃいます。高原さんはこの研究会が始まった頃からよく参加されていたので、最初の頃は飲み会で、官庁の統計を見せてほしいという話をしてもたらい回しにされるんだけれども、どうすればよいのかというような話題が議論になったりしていました。そういう意味では、直接、解雇と就業率だけに関心を持っていなくて、労働統計関係でいろいろ悩んでる若手院生の方もぜひ参加してください。
いつもは事務局の藤原、畠中、私の三人の誰にでも声をかけていただくだけでよいんですが、今回は、資料配布の関係もあって、参加される方は、私宛に所属とお名前を添えてメールしてください。私のアドレスは、ryojikaneko@gmail.comです。どうぞよろしくお願いします。
追記 ちなみに、奥平論文はここです。
2017年度の大原社会政策研究会の第一弾は、JILPTの客員研究員の高原正之さんにご報告いただきます。案内はここにあります。
時間:2017年4月21日(金) 15時20分~
場所:法政大学多摩キャンパスエッグドーム 会議室5階
今回はいつもと違って、高原さんが昨年のJIRRAで報告されて、そのあと、ペーパー化された「解雇規制は本当に日本の就業率を下げているのか?」(『日本労働研究雑誌』2017年特別号)を素材に議論したいと思っています。この研究会では、あまりこういうパターンはなかったんですが、高原さんから論文をいただいて、これをみんなで読んでみるというのもいいんじゃないか、ということで高原さんにお願いして今回の形になりました。議論の前には、高原さんから「解雇」についての簡単な解説をしてもらい、そのあと、論文についての議論をしたいと考えています。
この論文の主旨は、大竹文雄・奥平寛子の実証研究に対しての問題提起なんですが、お二人の研究は解雇無効判決変数と就業率の関係を分析し、労働者寄りの判決が出ているところでは就業率が下がるという結論になるというもので、これに対して、高原さんはデータの解釈の仕方が正しくないのではないかという問題提起をされ、簡単に言えば解雇法制が就業率にどのような影響を与えているのか以前、謎のままであると議論されています。
私は統計関係の研究会に出ないのでよくわかりませんが、本来だったら、この問題に対してのデータと変数の作り方、特にそのような問題についてアプローチするにはどのような方法があり得るのか(改善点等を含めて)などを議論するんでしょう。ただですね、この研究会は、統計学についての前提知識が共有されている研究会ではなく、もともと分野横断的に様々な若手研究者の交流の場にしようという問題意識で開いているので、当然、統計学そのものをよく知らない人も多いでしょう。だから、なぜ、こういうことを議論するのか、というような初歩的な、しかし、根本的な話から聞いてみたいというのも全然、ありです。というか、こういうところじゃないと、なかなか恥ずかしくて、そういう話、聞けないと思うんですよ。そういうのにぜひ利用してほしいです。
老婆心ながら、私自身も統計的な手法を使わないので偉そうなことは言えませんが、どんな分野でも統計学が入ってきているから、基本的なリテラシーとしてある程度は知っておいた方がいいよ、と言っておきたいですね。もう今はいないかもしれませんが、まだ私が大学院生だった頃は、統計的な手法を使うことにどんな意味があるのかといって毛嫌いする人が結構いました。でも、ロジカルに書くという意味では、統計的な実証論文に慣れ親しんでおくのは結構、よいことだと思います。というのも、歴史とか調査とかだと、事実の圧倒的なリアリティに頼って、しばしばロジックが飛んだり、あとは歴史だと、最後は論理で並べるのは難しいから時間で並べるかという誘惑にかられるときがありますからね(私だけ?)。時間順に並べると、なんとなく論理立っているように見えるんですよ、不思議なことに。
それから、高原さんはもともと労働省の統計情報部長をやられた方ですから、統計の実務面にも通じていらっしゃいます。高原さんはこの研究会が始まった頃からよく参加されていたので、最初の頃は飲み会で、官庁の統計を見せてほしいという話をしてもたらい回しにされるんだけれども、どうすればよいのかというような話題が議論になったりしていました。そういう意味では、直接、解雇と就業率だけに関心を持っていなくて、労働統計関係でいろいろ悩んでる若手院生の方もぜひ参加してください。
いつもは事務局の藤原、畠中、私の三人の誰にでも声をかけていただくだけでよいんですが、今回は、資料配布の関係もあって、参加される方は、私宛に所属とお名前を添えてメールしてください。私のアドレスは、ryojikaneko@gmail.comです。どうぞよろしくお願いします。
追記 ちなみに、奥平論文はここです。
スポンサーサイト
| ホーム |