修士の頃、研究テーマを決めようとしたとき、当時、同じ部屋にいた日本経済史の林(イム、采成)さんから、「研究テーマを史料があるかどうかで決めてはいけない。私だって史料はないと言われたけれども、必要な史料は全部出てきた」と言われた。あのときのことを折に触れて思い出してきた。結果的に林さんの言っていたことは正しかった。私は良質な史料に恵まれ、それを博士論文にすることが出来た。

森先生も不思議なことにアーカイブスや図書館で閉館ぎりぎりまで粘ったときにこそ、よいアイディアが出るとよく仰っていた。そういうことはたしかに起こる。アイディアは突然、やってくる。もう一つ、私は経験的に、そのときに自分が勉強したい本や論文は自然と集まるというか、目に入ってくるようになる。たとえば、たまたま歩いていた古本屋の軒先で今必要な本があったり、いつもと同じ図書館の書庫で、必要とする本を手に取ったり。そういうことは誰にでもあるように思う。

個人的にはそういう経験を全く持たない研究者がいるということの方が俄かに信じがたいが、実際のところ、皆さんはどうなのだろうか。本当に偶然というだけなんだろうか。
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