都内の一般書店では先週から『日本の賃金を歴史から考える』が並ぶことになりました。この間、濱口先生をはじめ、たくさんの皆さんに宣伝していただき、感謝申し上げます。ありがとうございます。

今回の本は「多くの皆さんに賃金についてもう一回考えてもらおう、そして、そこから労使関係や労務管理を考えてもらおう」という気持ちで書きました。ですから、全体的にはこのブログよりも平易に書いてあるつもりです。はじめにも書きましたが、想定している読者層は一般の方です。学者の皆さんは読んで頂ければ、社会政策、社会福祉、経営史(労務管理史)、労働史などに関連することに関しては、私がオリジナルに考えたことも入れてあります。ただし、学術論文の体裁は一切取りませんでした。さすがに、一段落ほぼ内容を教わった場合はオリジナルに言及しましたが、それ以外のところに関してはほぼ出典をあげていません。読みにくいからです。

隠れた売りとしては、図表もたった一枚しか入れてないことでしょうか。一枚以外は全部地の文です。賃金の本で統計数字を使った表が一枚もないのは多分、私の本が空前絶後じゃないかと思います。濱口先生のエントリのブックマークに帯文に比べたタイトルのやる気のなさという風に書かれてしまいましたが、嬉しいなと思いました。もともとこの本のタイトルは企画元の連合総研内で議論していたときは『日本の賃金』でしたが、昔ベストセラーになった小島さんの同名の本もありますし、どうしようかなと考えていたときに、ふと力が抜けて浮かんだのがこれでした。でもね、余計な力が入っていないこととやる気がないのは全然別です。

一般論で言っても、時系列に並べるのか、論点別に並べるのかって難しいんですよね。時系列を軸に論点を全部、盛り込むのはちょっと無理でした。ですが、緩やかな論点別にしてみたら、ほぼ賃金に必要な論点は網羅できるんじゃないかなと思って、やってみました。どうでしょう?それから「考える」をタイトルに持ってきたということは、私なりに「へえ、昔、そういうことがあったんだ」という歴史を描きたいのではなく、今のそれぞれ持っている問題意識に引っかかって、その一つ一つを考えて欲しい、というメッセージを込めているんです。そのために、本来、プロの歴史研究者だったら絶対にやらない、丸めて書くということを意識してバンバンやっています。その方がエッセンスが分かりやすいからです。

あと、私は知らなかったんですが、書店用のチラシに、連合の総合労働局綜合局長の須田孝さんが推薦文を寄せてくださいました。須田さんは震災の年、副事務局長をやってらして、私は連合と法政大学との共同プロジェクト、就労・雇用研究会でご一緒してました。須田さんいわく、

賃金の歴史は深い。極めて意義深い問いを我々労働者に投げ掛ける。被災地と賃金の復興が重なり合う書でもある。

第1章の冒頭は和RING-PROJECTが釜石の平田自治会(下の方の仮設ね)主催したバザーから始まりますし、第8章の社会的賃金もやはり被災地についての思いを込めました。でも、一言でそれを受け取ってくれたのは嬉しかったですね。

各地で議論して下されば嬉しい限りです。

追記
アマゾンでは数週間待ちで、ご迷惑をかけております。
ヨドバシ.comではすぐに配達してくれますので、ご利用いただければ、幸いです。
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