お会いしたことのない方ですが、大河内満博さんにツイートで言及していただきました。

@junposha 『日本の賃金を歴史から考える』を一気に読んでしまった。普段から労働法の歴史を意識しながら講義をしている私にとって、労働法の周縁部分である賃金論を歴史的視点から知ることは非常に興味深かった。歴史を振り返って今を考える、やはり「温故知新」なのだと改めて思う。


社労士関連で講師をなさってるんですね。そこで歴史を意識しながら、法律を教えているそうです。もうピッタリ、私と問題意識を共有していただきました。法の考え方はところどころ、入っています。私なりに生ける法と制定法の両方を意識しています。

濱口先生は紹介文に雇用の全体と書いて下さったんですが、実はそれはことの半分です。重要なのは、雇用と対比される請負も総合的に把握したことです。もちろん、濱口先生はそんなことは承知で、帯文としての分かりやすさから雇用の全体と書いて下さっているわけですが。戦前の雇用と請負を見ると、属人給と出来高給(請負給)の関係が分かります。これは第1章を読むと、分かります。ここのところは大河内さんには響いてくださったみたいです。続いて、こんなツイートを呟いておられます。

【労働基準法】平均賃金の最低保障額を定める労基法12条1項1号に出てくる「出来高払制その他の請負制」という部分は、民法上の請負契約とはほとんど関係ない。出来高払制と請負制とは同じ意味だと考えておいてよい。出来高賃金のことを請負賃金と呼んでいた戦前の名残にすぎない。


賃金統制の一部が労働基準法に反映されたことは、金子さん本人から孫田先生聞いていて、私もそれを伝承しています。この記述は賃金臨時措置令、賃金統制令、労働基準法に引き継がれたんですね。95頁にこんな記述を入れておきました。

基本給という言葉が最初に使われたのは1939(昭和14)年に施行された賃金臨時措置令の第三条である。「本令に於いて基本給と称するは定額賃金制に於ける定額給又は請負賃金制に於ける保証給若(もしく)は単位時間給」(原文はカタカナ,旧字)と定義されている。1939年といえば日中戦争中で当然,職能資格給の登場以前であるが、要するに当初,基本給は単なる固定給を意味していたのである。非専門家がこの条文を正確に理解する必要はないが,ついでなので解説しておこう。請負賃金は出来高賃金と同じ意味である。


編集で字が変えられてるな汗。正確は精確の間違いです。意味が違います。気が付かなかった。それにしても、こんなマニアックなところをよく引き受けてくださいました。ありがとうございました。ちなみに、常用、常傭と日雇、日傭ないし臨時という使い方も昔からの名残りですね。
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