東大経済に今はもうない15室と呼ばれる部屋があって、私はその最後の世代に属する。というのも、経済棟の改築によって、部屋番号が変わり、今は434(424?)室になっているからだ。

外部の方のためにご説明すると、東大の大学院では、院生が自分の専攻の自主ゼミを選択し、その自主ゼミ単位で部屋が割り振られている。私が読んだ自治会の昔の資料から推測すると、一昔前までは、部屋と自主ゼミが一致せず、というか、本当の意味で自主ゼミが研究や勉強する主体として機能していた頃は、部屋と自主ゼミが完全には一致してなかったらしい。おそらく自主ゼミが形骸化して、部屋割りの事務的な機能だけが残ったんだろう。多分、昔もあったと思うけれども、自主ゼミという形式的なものではなく、有志のメンバーが集まる勉強会は今でも行われているはずだ(労働はないけど)。

私が入った年は岡田真理子さん(現、和歌山大学)が新人の私のために読書会をやってくださって、おそらく、それが15室関連での本格的な勉強会としては最後のものになった。というか、書いていて思い出したのは、あれは今、一橋の猪飼さんがサバティカルだった佐口先生を巻き込んでやろうと言い出して、実際、先生に参加してもらった会もあったにもかかわらず、当の本人は一度も来ないので、岡田さんが責任をもって取りまとめていた、というのが真相だったかもしれない。

岡田さんが私の4つ上で、その2つ上が猪飼さん、それから埼玉大学の禹さんが同期だったと思う。その禹さんはこの世代近辺以降の15室の人たちの中ではボス的な存在である。というか、このことを書きたいために、余計なことを随分、書いてしまった。

その禹さんの博士論文が『「身分」の取引と日本の雇用慣行』である。この本は主として、戦前の国鉄の労使関係について書かれたものである。実は、法政の梅崎修さんが中心になってやっている労働史史料研究会(?)というマニアックな研究会があって、2006年1月27日に駿河台大学の市原博さん、梅崎さん、私で禹さんに国鉄の史料の話を伺ったことがある。そのときに、少しこの本の話題が議論にあがった。この研究会は自由なもので、参加者は大体知り合いだから、自由にいろいろ話せるのだ。

この研究会の最初の方の話は一応、「労働史史料研究会オーラル・ヒストリー」として活字の報告書になっていて、その初志が貫徹されていれば、全国の図書館に入っているはずだ。ただ、OPACにあんまり登録されてないのかもしれない(東大経済には梅崎さんに言われて、私が仲介して今までのオーラル・ヒストリーを全部入れたので、入ってるはずだけど、登録されてない)。ちなみに、梅崎さんは知る人ぞ知る労働史のオーラル・ヒストリーの中心的なオルガナイザー。その一端を大原の雑誌に「労働研究とオーラルヒストリー」として書かれている。

内輪話になってしまったので、次に改めて禹さんの本の話をします。
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