安部総理の演説河野太郎議員のブログエントリを読んで、今回の騒動の裏側が見えてきたような気がする。もちろん、私は誰でも知り得る情報しか持っておらず、基本的にここから書くことは全部、憶測である。でも、面白いと思うので、御用とお急ぎでない方はゆっくりと聞いておいでなさい。

結局、今回の特定秘密保護法はデモのおかげで成立したようなものかもしれない。たしかに、今回のデモはもう少しで法案に影響を与えかねないレベルまで迫ったようにもみえた。しかし、他方で他の反対を封じ込めた面があるように思う。今回の特定秘密保護法の戦線は多くの人が誤解したように政府と民間にあるのではなく、行政と議員の間にある。行政だけでなく、大臣もこれをコントロール出来るように法文化するのだから、これは画期的である。

通常であれば、官庁は族議員を通じてプレッシャーをかけて廃案に追い込んだろう。しかし、今回はこれだけ大規模な反対運動が起きた。しかも、脱原発のときとは違い、報道された。規制されなかったのである。規制できるのに、されなかった、ということは規制しない方が得するグループがいるということである。自民党である。

そう考えれば、不可解な石破幹事長のテロ発言も合点が行く。ミリタリーオタクというイメージを利用した戦術ということになろう。世間には軍事専門家と軍国主義の区別が付かない人がたくさんいる。事実、反対者はあのテロ発言で勢いづいた。よく考えたら、最初、安部総理もアメリカや他国からの機密情報を得るということを目的と主張していた。安全保障問題のみと思わされた。だからこそ石破発言が効いたのである。注文通り、治安維持法云々で騒ぎが起きた。

戦後、治安維持法に該当する危険な法律があるとすれば、破防法である。しかし、この破防法はオウム真理教のときでさえも適用されなかった。それくらい運用に慎重なのである。特定秘密保護法にもし危険があっても、運用で抑えることが出来るのである。もし、それが出来ないときは、何をやってもダメな潮目になっている蓋然性が高いと思う。そのときはそのときでもっと恐ろしい法律が作られるだろう。

なぜ自民党が得をすると考えられるのか。デモが勢いづけば、官庁は反対しづらいからである。反対派同士、手を組めばよいと思うかもしれないが、そうではない。デモというのは、原則制御しきれるものではないからである。その不確実性を官僚は嫌う。デモの結果、政策が裏返ったとなれば、次にデモが起こったときの勢いは必ず増す。脱原発にも飛び火しかねない。それは避けなければならない。受けるしかないのである。デモに関して言えば、やはり再稼働反対デモに比べれば、勢いが弱かった。そういう意味では今回は多少、焚き付けても、抑え込めるという見通しがもちろん、あったはずだろう。しかし、これ以上、勢いづけるのはまずい。微妙なラインである。

河野議員のエントリを読んで、こうやって最初から教えてくれれば良かったのに、というコメントがある。法案が通ってから解説を始めるのにはもちろん理由がある。しかし、自分たちの情報発信の仕方が悪かった、申し訳ないと言えば、誰も傷つかない。反対派のなかで治安維持法云々といっていた人たちはもちろん、こんなことでは納得しないだろう。しかし、そういう人たちは最初から何を言っても納得しないのだ。だから、聞いてくれる人たちに対して、発信し、受け取ってもらえれば、とりあえずよい。そうやって少しずつ、イメージを回復させればいい。とはいえ、急に変わったらまずいから、石破幹事長はまた失言している。でも、この前より程度は軽くなっている。こんなものはほとぼりが冷めたら忘れ去られてしまう。

本当の狙いは世間で喧伝されたのとは逆で官庁が独占している情報の独占を止めることにあった。すべて行政は根拠となる法によって動いている。それが法治国家である。だから、法を作った。あえて逆イメージを流布するのは、もちろん、それでも通せるという読みがあるからである。メディアの報道できる量は一定だから、特定秘密保護法とそのデモで埋まってしまう。デモに出ていたり、シンパシーを感じている人は、デモが報道されていれば、文句はない。それを見て連帯意識を確認し、しかし、自分たちの声を聴かない政府に憤りの声をあげる。そうやって騒いでいる間にいくつもの重要な法案を通してしまう。野党もこれだけ真剣に反対しているから、誰も文句を言わない。野党の顔も立つのである。

誰がシナリオを描いたのか知らないが、自民党には相当の戦術家がブレインにいるんだろう。安部さんは本当に再登板まで準備してきたんだな。政治が面白くなってきた。
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