連合総研のDIOの今月号が発行されました。濱口さんが早くも紹介されているのですが、私は違ったところで、龍井さんの巻頭言を紹介します。この短い文章は春闘と賃金交渉を理解するために、とてもよい材料です。

春闘はバラバラに行われていた賃金交渉を春に集約するために、当時のナショナル・センターだった総評が編み出した労使交渉の手法でした。そこでは、大手→中小→関連産業といった波及が期待されていました。昨年度、コンビニ業界が幸先のよいスタートを切りながら、それを波及に持っていけなかった。これは労働界の深刻な問題を抱えています。

ハッキリ言って、安部首相の危険性よりも組合の賃金交渉メカニズムの機能不全の方が、わが国のマクロ経済的には大問題です。何とかしないといけないですね。

ただ、毛塚先生、松村先生、安先生の論稿を読みながら、つくづく日本を対象とした労使関係研究の弱体化を思いました。この内容は素晴らしいんですよ。でも、問題意識の作り方がどうしても、国際比較とか日本の現状のちょっとしたつけたりみたいになってしまう。これは、組合や日本を対象とした労使関係研究者が、現状の問題を鋭く分析したものを出して、そういう問題意識に答えるように、外国研究者が向こうの事例を紹介する、という形が理想です。1970年代くらいまではそれが出来ていました。小池先生や熊沢先生のような、両方向のスターもいました。

日本の労使関係は各方面で立て直しを迫られているように思います。もちろん、我々、研究者も含めて。
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