『日本の雇用と中高年』それから『若者と雇用』の二冊の本は人口ピラミッド問題をどう考えるかということが決定的に重要だと思います。経済学においてはじつは人口論は重要な役割を果たして来ました。それは主としてマクロな領域ですが、こと雇用社会ということであれば、国全体の人口問題とは別に、ミクロの企業レベルの人口ピラミッドの問題も考える必要があります。ざっくりした勘でいいますが、新卒一括採用が軸の日本企業ではたぶん、企業の場合、景気や業績と連動しているはずです。

この前、組合の方からうかがって、ああそうかと思ったのは、90年代に成果主義を入れたのは若手社員から中高年社員との処遇格差を是正してほしいという要求に押される形で、実現したというお話を聞いたときでした。その企業の場合、成果主義といっても、まさに年功賃金から年功性を差し引いたという意味合いが強かったようですが、企業内ではこうした世代間の問題は重要であると思います。当たり前ですが、大手の労使関係がしっかりしているところは、人事と組合で相談して改革している場合も多いんですね。

その一方で、濱口先生がおっしゃる世代論は不毛だというのももっともなんです。若者が悪い、中高年が悪い、というのはたいてい、周りに思い当たる人がいるから(?)、妙に説得力がある。でも、マクロに広げて考えられるの?と立ち止まって考えてみたら、なかなか難しいところもありますね。人口論をちゃんと底に入れると、きっとこの問題の奥行きが出てくるんだろうなと思います。

ところで、この人口問題は私にとって鬼門で、本当によく分からない。なぜ分からないかといえば、ちゃんと勉強してないからだとは思うんですが、どこから手を付けていいか全然、見えないんですよね。一応、最近では杉田菜穂さんのご研究がありますが、彼女の問題意識からすれば、当然とはいえ社会学に偏りすぎてしまっている。あとは速水先生たち慶応ファミリーの偉大なる歴史人口学もあります。でも、あそこから政策へは私は飛べないんです。あと、何と言っても、河野稠果『人口学への招待』中公新書というとびきりの入門書があり、国立社会保障・人口問題研究所は紀要を古いやつからみんな、公開している。これだけの条件があってもピントが合わないというのは、よっぽど私は向かないんだろう。正直、家族の問題は実感もないし、よく分からないので、ここはとりあえず誰かにお任せします。

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