さて、第6弾です。

1 日本的賃金というと年功賃金を連想するが、最近では実力主義といったような、勤続年数に関係なく仕事能力に応じて給料を払うところもある。今後どちらの方が浸透していくのだろうか。

気持ちは分かりますが、実際はそういう風に単純に、どちらからどちらということにはなりません。まず、確認ですが、年功賃金といっても、今までの年功賃金にもいくつものパターンがあります。たとえば、戦後の物価上昇への対応としての昇給という性格が強く残っていて、あまり査定によって差をつけるこなかった場合。それから職能資格制度をかなりきっちり運用して、評価制度を厳しく行っている場合などがあります。逆に実力主義や成果主義といっても、実際は職能資格制度をちゃんと入れようみたいな場合もあります。そうなってくると、年功賃金から成果主義(実力主義でもいいですが)へと言っても、A社で年功賃金といっている制度がB社では成果主義だったというようなケースだって大げさに言えばあるんですよ。ですから、ケースをいっぱい見るしかないんですね。

2 賃金制度手法の導入史を考えるうえで重要な、科学的管理法の意味をより明確に理解していきたい。

生産管理の徹底です。品質と数量の管理です。初期の科学的管理法ではここまでです。

3 外国の賃金制度や雇用形態はどのようなものか。日本と類似している点、異なる点は?

外国もいっぱいあるので、一概に言えないですね。また、同様に日本でも業種や職種によって違います。たとえば、保険の外交員さんなんかは昔から歩合制ですから、これは成果主義ですね。とにかく、いろんなパターンがあるんだということを知って下さい。

4 給料や賞与は、あらゆることに影響を受けて変動するが、2014年4月から消費税が上がることは給料にどう影響を及ぼすのだろうか。

今のところ、給与を上げるという風に動いたはずです。少なくとも、今年、春闘でベースアップを認めさせたのは物価上昇と消費税アップが根拠の一つでした。

5 月給日給制度では、有給休暇によって給与を支払う仕組みが制度化されているが、それはアルバイトやパートにも適用されることがあるのか。

非正規労働であろうとも、有給休暇は法律で認められています。もしアルバイトを退職するんであれば、有給分は消化しましょう。そういうのを請求することを経験しておくのはいろんなことが勉強になると思います。ただ、賃金債券の時効は二年間ですから、二年以上前の権利は消滅してしまうかもしれません。たぶん、そういう制度を知らない経営者も多いと思います。

6 バブル崩壊以降の就職氷河期を経験した世代を中心に、賃金はめったに上がらず、サービス残業も当たり前だと考える人が多くいることは問題にすべきだろう。

本当にその通りです。今、労働時間規制はホット・トピックですから、ぜひ真剣に観察していて下さいね。

7 給与明細は複雑であると述べてあるが、将来、自分の給与額がどのようにもらえているのか把握するためにも、給与明細の見方を知っておきたい。

実務的なことに関心がある場合は、専門の資格やそのテキストで勉強すると全体像が見えますね。たとえば、今、パッとAmazonで調べた限りでは、


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(2013/11/29)
北村 庄吾

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といったものがありますね。ただ、こういう本は相性があるので、東京の新宿、池袋、神保町、東京や渋谷の丸善なんかに出かけて、大きな本屋さんで実際の棚を見て、本を選ぶのがいいと思います。丁寧に読む必要はありませんが、その代わり回数を多く、読むようにして下さい。

8 同一価値労働同一賃金という考え方があるが、企業規模や雇用形態の違いによって賃金や労働条件が異なることは当然だという考え方の方が浸透しているのではないか。

同一価値労働同一賃金も思想としては浸透しています。ただ、他方で企業規模や雇用形態の違いによって、違うというのはありますね。とくに雇用形態による違いは重要なトピックスです。本田一成さんが整理された「職場のパートタイマー」というレポートがありますから、これを読んで勉強してみて下さいね。

9 責任あるポストに就くことを嫌って、正社員登用を断る人のニーズに応えるために、短時間正社員のような制度をつくっている企業もあるが、短時間正社員がやらない仕事を埋めるために正社員の負担が大きくなることはないのか。

あります。というか、非正規雇用の拡大の最大の問題点は、その管理業務負担が管理職ではないはずの正社員にまでも及ぶことでしょう。これはよい問題提起です。

ただ、短時間正社員をはじめとした多様な正社員というあり方については、やはり先ほどの本田さんの議論を勉強するとよいでしょう。それから、ワーク・ライフ・バランスの本も抑えておくとよいですね。たとえば、佐藤先生のこういう本もあります。


職場のワーク・ライフ・バランス (日経文庫)職場のワーク・ライフ・バランス (日経文庫)
(2010/11/16)
佐藤 博樹

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10 103万円の壁や130万円の壁があるように、なぜ主婦パートの収入を規制してしまうのか

収入を規制しているわけではありません。それに主婦パートだけを対象にしているわけではありません。お母さんたちだけでなくて、君たちも同じで、それ以上稼げば、扶養家族から外れますよ。これは父親が稼いで家族を養うというモデル家族が想定されていたからです。ただ、今はそもそも共働きでないと食べて行けない、という人が増えて来ているので、この規制は見直しが検討されています。ニュースやhamachanブログ(EU労働政策雑記帳)に注目ですね。


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(2013/11/01)
金子良事

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