第7弾です。

①戦前、戦中ブルーカラーの賃金の所轄官庁は厚生省、ホワイトカラーの給与の所轄官庁は大蔵省であり根拠となる法律も賃金統制令と会社経理統制令と別々であったのはなぜか

戦後、というか、現在もそうですが、労働者と管理者という区分があります。これは指揮命令をする側なのか、あるいはされる側なのかという区分です。戦前は、資本(現代で言えば会社の経営)側と労働側という区分で、ホワイトカラーは無条件で経営側と見られました。戦時期は企業の利益までもコントロール(統制)するという発想でしたので、会社経理等統制令で、ホワイトカラーはこちらでカバーされていました。これに対してブルーカラーは従来の厚生省(今の厚生労働省)が所轄であったわけです。ただ、最後の最後で厚生省に全部、移管されます。

②国家資格があるにもかかわらず保育士など低賃金のままであるという問題が解消されていかない原因はなにか

一に支払い能力ですね。二に労働者側の待遇改善の意欲が低いことですね。とくに、ケアと呼ばれるサービスを提供する業種では、お金のことを言うのをタブー視する風潮があり、待遇改善を言いづらい状況があります。第三に、そうした閉塞状況を打破する外圧、たとえば社会がこれを改善しよう動くこと、がまったくないためです。

③日本は大企業より中小企業が多く存在する国であるのに大企業では福利厚生が充実しているのに対して中小企業ではそれが難しいのはなぜか

常識的には大企業の方が体力があるからというのが一つの答えでしょう。ただ、福利厚生制度というのは規模の経済が働くのです。これは保険の原理と同じです。ですから、たくさんの人を雇っている大企業の方が福利厚生制度を整備するインセンティブが高いのです。

④賃金が支払われる方法は現在では日給、月給、時給制のほかにあるのか

コミッションと呼ばれるような歩合制もあります。また、年俸もありますね。ただ、年俸制度でも労働基準法は月ごとに支払うことを義務づけていますから、年に一回や二回という支払い方はアウトです。ただ、この月給制のなかに、いろんな項目(銘柄)があり、それが複雑なんですよ。

⑤上記の質問は職種や業界によってある程度決められているのか

仕事内容に規定される部分もありますから、自然と似たような制度を選ぶということはありますが、基本的には各社ごとにカスタマイズされます。あと、有名な大企業が新しい制度を入れると、業界を超えて、マネするという現象が起こることがあります。

⑥企業の中に会社に対して賃金や賞与金の交渉を行う労働組合はいつごろから存在しているのか

ほとんどは戦後からですが、1910年代後半の争議で労働組合が関与していたものでは、賃金を問題にしているところがありますね。たとえば、京都の奥村電機争議というのもあります。組合は友愛会(その後、総同盟に改称)でした。ただ、改革の際に、労働組合に会社側から諮問するというようなことは戦前はほとんどなかったのではないかと思います。東京製綱などはやっていたかもしれません。

⑦上記の質問は大企業や中小企業のどんな会社にも必ずあるものなのか
⑧上記の質問に対してどんな人間が配属されるのか

上記の質問がどれを指しているのか分からないので、推測で話します。労働組合のない会社もたくさんありますし、ちゃんとした労使協議、団体交渉の機能を利用できるような企業は多分、少数派です。どこにどんな人間が配属されるのかは会社ごと、あるいはその担当部署、個人などによって異なると思いますので、一概には言えないですよ。

⑨米国や欧州などの他の先進国と日本の賃金の支払われ方の違いについて、月給制が多いのかなど

他国についてはよく知りません。アメリカなどは関口先生に聞くといいでしょう。ただ、一般的に他国を見るときは、ブルーカラーとホワイトカラーを別々に考えた方がよいでしょう。日本もある時期までそうでしたが、1950年代くらいからかなり制度的にも近接しました。国もそうですが、細かく見て行くと、企業ごとにも相当違いますよ。

11 日本は未だ終身雇用制の会社が多いと思うが米国や欧州など他国と比べどうなのか

これはもう濱口先生の本を読んで、勉強しましょう。


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