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今考えていることと、リンクしたので、一応、忘れないようにメモ代わりに。

実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議

濱口先生が刺激的と話をした、富山委員の提言ですが、たしかに面白い。ただ、これはもう一段、考えなければならないことがあります。
富山委員は、グローバルとローカルという対立軸を考えているのですが、ローカルというのは地域社会レベルで考えなければダメで、強いて言えば、この中間にドメスティックを入れる必要があるだろうということです。

コメントで指摘されていることもそうですが、要は問題は仕事の需要がないのに、それを排出してどうするんだということなんです。これは職業訓練もキャリア教育も同じです。ある方が仰っていたのですが、職業訓練は学生にその道で食べて行く覚悟させることが一番肝要なんです。問題は、覚悟させた学生に受け皿がない、この問題をどう考えるか、ということです。

今の就職問題、私はマッチング機能に問題があり、学生も会社の人事部も困難で、笑っているのはリクルートと毎日コミュニケーションだけじゃないかと思っていますが、そのもっと背後には、仕事があるのかということがあります。以前も濱口先生と議論したときに、そもそも景気が良くなれば、問題の大半は解決するということを書きました。基本は労働需要不足である、と。それはそうなんだけれども、その所与の条件下で何かをやるということが大事だ、という話でした。

で、これからの社会政策的な課題として、生活、仕事を含めた地域社会づくりがあるわけです。もちろん、そんなことは誰でも分かっていて、散々議論して来た。教育に引きつけて言えば、非常にマイナーだけれども、戦後の社会教育計画というのは、そういうことをやろうとしたわけです。

ここでもう一つ、ドメスティックの下に、ローカル、地域社会を位置づけるということとの関連で言うと、夏に話題になった増田グループの人口急減社会の問題がある。つまり、東京でさえも人口減になる、ということです。これは当たり前で、首都圏にすんでいて、首都圏が少なくとも満員電車などを含めて、とても育児に優しい社会だとは思えないでしょう。ということは、子どもは減る。東京が人口が増えるのは外から来るからですが、要するに、地方で食べられなくなって、とりあえず東京に流れている。ということは、地方がまず疲弊している。疲弊しているだけならよいが、消滅すれば、東京に流れてくる人もいなくなり、やがては東京の人口減が始まる。


地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)
(2014/08/22)
増田 寛也

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ということは、やるべき課題は地方再生ということです。私から言わせれば、このリンク先の議論さえ、根本というよりは些末な議論に思えるのです。少なくとも、産業振興とセットでやらなければ難しい。もちろん、これは今、大学で行われているプロジェクト・ベース教育と相性がよいのですが、実際には道半ばと言わざるを得ないのです。何が足りないのかは分かりませんが。

いずれにせよ、職業訓練化するなら、その受け皿を作る話とセットでないと、多くの犠牲者を出すだけだと思います。

まあ、今日はとりあえず、ここまで。他のことをやらないとならないので。
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