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松沢裕作さんから新著『生きづらい明治社会』をいただいておりました。すっかり遅くなってしまい、申し訳ありません。遅ればせながら、一読して、これは素晴らしい本だと思ったので、ぜひご紹介したいと思います。

個人的には、ツイッターでいつも愚痴をこぼしている松沢さんが、ついに著書にまでその気持ちを込めたというところでしょうか。こう書くといかにも揶揄してるように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。この生きづらい現代社会を頑張って生き抜こう!というシンドイ話ではなく、シンドイものはシンドイ、というところがいかにも松沢さんらしいです。まさに「自分の中に歴史を読む」ですね(阿部勤也先生と松沢さんはだいぶ違いますが)。でも、ここは社会政策、そのまた根幹の社会問題を理解する上では、一番大事なことなんですね。だから、私もあえて触れてみました。

大体、今までの本は、立身出世に勝ち残っていた人の話か、そのルートに乗れずに塗炭の苦しみをばねに抵抗運動した人の話か、いずれにせよ、とてもギラギラした人たちの話が多かったわけです。そこにあえていかない。というか、今でもそういうタイプの運動家はたくさんいますが、松沢さんはそういうところとは合わないだろうなと私なんかは思います。

ただ、全体的に、松沢さんは安丸先生の通俗道徳論に現代にも通じるような明治の生きづらさを見出していると思うのですが、私は個人的には圧倒的に組織の生きづらさではなかったかと思います。そこは松沢さんは「家」制度として少し描いているんですが、農村の生きづらさ、地域コミュニティ(共同体)の生きづらさ(その裏返しとしての都市の解放感)のようなものが実は現在でも大きなものとして存在していると私は考えています。そこのところはそのうち、松沢さんに聞いてみたいですね。

とにかくこの本は社会史的な背景とか、基本的な知識を得るにも、良いので、社会政策の歴史を学びたいという人には、まず、これは読んだらと自信を持ってお勧めできる一冊です。あと第一線の歴史学者がいろんな先行研究を踏まえて書いているわけですから、こういうのは新しい世代のものを読むと新鮮だと思いますよ。図書館にも入れてもらうかな。

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