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今、書いている本がいよいよ医療にも関わって来るので、復習がてら引越以来あけていなかった段ボールを開けてみたところ、二箱しかないのに、なんでこんなに多岐にわたる本を集めてるの?という思いに駆られる。大変じゃん。

社会政策における医療が重要なことは誰も否定しないと思うんだけれども、医療は医療で独立した領域なので、社会政策としての考察というのは意外とされてこなかったのではないかと思っている。これは猪飼さんが『病院の世紀の理論』で書いていることなんだけど、猪飼さんの先行研究整理ってきれいにまとめ過ぎていて、文献等をちゃんと丁寧にあげないので、よく分からないことが多い。読んでないのではなくて、あげられていないことが多い。人のことは言えないけど。

一応、大雑把にどんなことを考えとけばよいのか、ちょっと整理しておこう。誰でも、考えそうなところは、

1 社会保険としての医療
2 医療供給の問題
3 医療の福祉化、ないし高齢化社会における介護とのかかわり
4 公衆衛生

あたりだろうか。このうち、3は1970年代以降のことだし、専門家がたくさんいるので、触れなくてもいいかなと思う(というか、正直、1970年代以降のことは別にもう一冊書かないといけないことが多い気がしている。書かない気もするが)。

1も専門の研究がいっぱいあるので、それに乗っかって、整理すればいいんじゃないかなと思う。というより、医療として、という括りではなく、社会保険全体の歴史的考察が重要だと思っているのだが、それは明らかに私の仕事ではなく、中尾友紀さんにあと15年くらいかけて仕上げて欲しい仕事である。本にもそう書いちゃおうかな。もっとも、私が書く本より、ここを読む人の方が多そうだけど。あ、でも、おそらく本人は嫌がるだろうけれども、わざわざ書いているのは、その力がある人だと信じているからです、念のため。

医療供給の問題は、いわゆる「医療の社会化」問題と関連して、蓄積されてきた。これがいわゆる社会改良思想とともにあったことはたぶん、誰も否定しないと思うんだけど、その戦後の担い手だった革新が弱くなってくると、こういうところも弱くなってくるよね。とりあえず、青木郁夫先生の大著がその一つの集大成だと思う。思うけれども、もちろん、それだけじゃない。これ、担い手論にもなってきて、そうなってくると、社会をどう理解するかという問題と表裏一体をなしていくことになる。ここの話は重要だけど、そこは論点が行きつ戻りつになるから、うまく触れられないんだよね。

この供給問題に触れるときに、避けて通れないのは、皇室の存在。まず、赤十字と済生会は見逃せない。これ、昔の講座派よろしく天皇制絶対主義的に理解する人もいるけれども、その起点になった戊申証書もね、大半は反対で、これは平田東助が押し切ったものだからね。そういう文脈も横目に入れながら、この問題は考える必要がある。済生会は医療でもあるし、貧困でもある。そして、その先には岡山の先駆的な方面委員の話がある。皇室と医療、社会福祉は重要。それから、日本の寄付文化とか、ノン・プロフィット・セクターのあり方を考える際の役割にも重要。革新側からだとここが見えなくなる。それと赤十字については、ILOに先駆けて、国際的活動だったということは無視しえない。有名な昭憲皇太后基金についてもここで出てくる。

公衆衛生の成立みたいなことに関しては実はよい本が二冊あるので、それで何とか整理できる。一冊は衛生の専門職の誕生みたいな話。

ここで出てない話で重要なのは人口政策とのかかわり。これをどう描くのかというのは、優生社会みたいな話があって、その派生としての家族計画みたいなところまでつながっていく。まあ、人口政策についてはあまりよい概説書がない。ここは仕方がないから、私が一次資料にあたって考えて来たことを少し出していくしかないだろう。

なお、文献名をエントリであげてないのは、別に隠す意図があるわけじゃなくて、単に面倒くさいだけです。これはあくまで私のメモなので、私的には細かい出典よりも、どの部屋のどこに置いてあるかと、文献リストに加えたっけ?とかいう方がはるかに重要なんです。初心回帰。



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