大原社会問題研究所では毎月一回、研究員による研究会を行っています。外部に開かれているものですので、どなたでも参加することが可能です。ただ、基本的には誰か知り合いに、参加する旨を伝えて下さると、みんなびっくりしないので、助かります。

今月の報告、つまり、来週の水曜日に、私が報告します。

15:00から16:30まで
大原社会問題研究所共同会議室
金子良事「近代日本における「社会的なもの」

この二週間くらいずっと、この問題を考えて来たんですが、煮詰まって来て、様々な文献を読み散らかしたあげく、着地点が分からないという状況ですが、この週末、なんとかしたいと思っています。

このテーマ自体は『社会的なもののために』メンバーから研究会で喋ってくれという依頼を受けまして、その試験として選んだのです。ただ、あとで別エントリで書きますが、最近、大原社会政策研究会なるものを仲間たちと初めまして、院生の人たちとも関わるようになってきたので、あんまり途中のいい加減な報告が出来ないということになってきて、よい意味でプレッシャーになっています。

ここで考えたいことは、なぜ社民主義が日本に根付かなかったのかということなのですが、そこのところを掘り下げて考えて行く予定です。今のところ、

1 日本では社会運動と労働運動の離陸期に普通選挙が実現したため、すべてが政治運動と重なったこと
2 西洋に比べて、キリスト教のような強大な宗教が存在しなかったこと。その含意は、カトリックのような財政基盤がなかったこと、社会思想の中核がないということ

といったあたりを考えています。このアイディア自体は前々からあるんですよね。結局、いろんな運動がイデオロギーと党派でとりあえず語られるということがあって、これは抜きがたい宿痾だなと思います。まあ、でも、ここらあたりのことはほとんど話さないかもしれません。

勉強自体は、農村社会学や都市社会学、ナショナリズム研究なんかを視野に入れて進めて来たんだけど、それもどういう風に絡めるかよく分かんないんだよなあ。でも、日本では近代化の過程で政治運動がまず一番にあったということは動かしがたい。その次に労働運動があり、これは政治とは違う文脈。だけど、その二つが普通選挙で交叉する。そこから迷走が始まるのかな。いずれにせよ、国制も含めて考えなきゃならない。

というわけで、こちらの研究報告はお勧めしません。
夏学期の終わりに復興食堂に遊びに来てくれた学生と一緒に帰ったことがありました。そのとき、彼が興味深いことを言ってました。私の講義は難しいし、全部理解できているとも思っていないけれども、それでも緊張感があるからいいんだ。どういうことかと思ってもう少し詳しく聞いてみると、今、大学では高校生までの復習のような簡単な授業もあって、そんなものは教科書を読めばわかるので、寝てしまう、と。正直に言えば、メチャクチャ嬉しかった。でも、そういう意見もあるんだなと客観的に聞いている自分もいました。

大学の講義の意味って何だろうというのは、私もそこに関わるものとして素朴に考えます。大上段に構えれば、ミルの『大学教育について』のような考え方に私も基本的に賛成します。ただ、逆に言うと、職業訓練だって突き詰めて言えば、実践的に役立つ知識だけを教えているわけではないんだと思うので、この二分法がかえって不要な混乱を招いているような気がしないでもない。たとえば、旋盤の動かし方は実践的な技能かもしれませんが、新井さんが教えるコミュニケーション・スキルのようなものは、すぐに役立つというより、今後その能力を伸ばして行く上での基盤的な能力とでもいうんでしょうか、そういうものを培うものだと私は思っています。そうすると、これは昔から「教養」と呼ばれてきたものと境界が難しくなる。まぁ、実態としてはそれでいいんでしょう。

冬学期の私の非常勤の講義は「労使関係」と「生産・人事管理」です。非常にざっくり言ってしまえば、「労使関係」の方は合理的にゴリゴリ押して行っても最後にはグレーなところがあるよ、というような「交渉」を理解する上での重要なことを身につけてもらいたいなぁと思います。「生産・人事管理」はその逆で20世紀の企業人(工場人)は合理的をゴリゴリ推し進めていって、ここまで到達しましたよ、というところを紹介したい。そういう意味では両方が近いんだけど、両極かもしれません。だけど、こっちじゃない極もあるんだよ、という世界をチラチラと紹介しながら、進めていければいいですねぇ。
2011年5月21日、22日。いや、明日、明後日、待ちに待った社会政策学会ですね。私も多分、朝から参加すると思います。見つけた方は気軽に声をかけてください。とくに被災地関連の活動をやってらっしゃる方、それから、被災地域の先生方、いろいろお話しできればうれしいです。どうぞよろしくお願いします。
明日は待ちに待った社会政策学会。

といいつつ、法政の市谷図書館によって、清水義弘関係の本を更新してこなきゃならない。そして、そのままだと重いので、研究所に立ち寄って本を置いてそのまま早稲田へ。ということは、どう考えても、会場に着くのは10時を回るわけで、結論だけ言うと、榎さん、谷本先生、ごめんなさい。それにしても何もオランダ戦の日に学会をぶつける必要ないよな。二次会ではサッカーの見られる会場へ移動することを希望したいと考えております。

一度もお会いしたことない方でも、気軽に声掛けてくださいね。懇親会も出るつもりです。ただ、以前に書いたブログの内容は本人は忘れている可能性もあるので・・・、そこはひとつよろしくお願いします。
日本女子大の現代女性キャリア研究所でPD研究員をやることになりました。ただ、今、更新が滞っているのはそのこととはまったく関係なく、4月12日に死守すべき原稿の締切りを2本抱えているためで、それが終わった頃にはまた少しずつペースを掴んで、書いていきたいと思います。今年度もよろしくお願いします。